Windows UAC無効化による不具合や動作について

概要

 UAC設定はWindowsの管理者権限を求めるような権限の強い処理をするケースでOSがユーザーへ確認を求めてから実行するなどセキュリティに配慮した機能です。しかし、この確認が頻繁に発生するとWindowsの利用にストレスもあります。そこで、UACの設定を変更する事もあるでしょう。そこでセキュリティレベルを下げたり無効化した時に起こる事で起こる不具合、困りごとをいくつかを紹介します。

UAC設定画面

参考:ユーザー アカウント制御 (UAC) の意外な役割

不具合症状

ここでいう不具合とはアプリケーションが正常に動作出来ないという事とします。

経験上次のような不具合がありました。

ユーザーアカウント制御の設定画面ではUAC設定は無効化されているがレジストリでは一部有効化された。これはコマンドなどでUAC無効化していたはずがWindowsUpdateなどのタイミングでUACが一部有効になってしまうケースです。このようなケースではユーザーアカウント制御の設定画面では無効化状態に表示されます。このケースでは次のような不具合が発生します。トラブル時にユーザーとの確認で画面確認は意味がなく、レジストリをみる必要がある症状です。

私の場合はコマンドプロンプトのデフォルト起動が管理者権限ではなくなっていた事で気づきました。

  • アプリを起動しても、UACの確認ダイアログが表示されずにアプリは起動出来なかったがアプリもエラーを表示しない。原因の分からないアプリが起動しない症状に見えてしまう。アプリの挙動としてはUAC確認画面を表示しているつもりなので起動が保留状態になっているだけ。(例としてNahimicアプリやSAMSUNG Magicianなど)
  • アプリは起動しているがアプリで作成したファイルの保存が出来なかった。権限が弱い状態でアプリが起動している為か、一部のフォルダにアクセス権限がなく、保存実行してもファイルが生成されない。(Microsoftのバージョンアップした新しいフォトアプリなど。フォトレガシーでは起きない。)
  • コマンドプロンプトなどのデフォルト起動が管理者モードでなくユーザー権限で起動する。bat実行も同じく管理者権限で実行を選ばないと権限不足で実行拒否されるものが出てくる。
  • ディスクのボリューム名変更や管理者権限を求めるフォルダ階層などへの実行が出来ない。

動作の違いの例

これは前項の不具合症状とは別で正しくUACを設定している場合でも起こる事です。

  • UACを無効にしている場合に、GoogleパスワードマネジャーなどWindowsのパスコードを利用している場合にパスコードを求める入力ウィンドウがバックグラウンドへ隠れる。回避方法はUACを有効化すれば前面にパスコード入力ウィンドウが表示されます。有効になっていれば良いので一番低い設定で良いです。
UACの一番低い設定

UACの設定確認方法

コマンドを使ったUAC設定のレジストリの確認については下記の別ページにて触れています。
なんだかアプリが思うように動作しないな、回りに聞いても解決方法が出てこない、でもWindows初期化したくないなと思う時には確認すると解決する可能性のある設定箇所です。

Windows UACの設定をコマンドで確認、設定する